20世紀の前半、世界は最悪な事態に見舞われました。二つの世界大戦のため何百万人という人々の命が失われ、二つの戦争の間は経済恐慌のため数百万人が貧困に陥りました。第二次大戦後は、大量破壊兵器が発明され、何十年もの間、欧米諸国と共産圏との間の冷戦という世界緊張が続きました。しかし、この苦しみの中にも、良い出来事がありました。英国からの独立の道を歩んでいたカナダは、第一次大戦後の1931年、実質的な独立を果たし、英連邦の一員となりました。他の朗報は、女性に議会での選挙権が与えられ始めたことです。しかし、ケベック州では女性の選挙権は1940年まで認められませんでした。戦争中、多くの女性が労働に参加し、これに伴い、高度の教育を必要とする部門や政府機関でのポストに女性のための門戸が開かれました。
第二次大戦に続く経済的繁盛期、カナダでは、英国や他のヨーロッパ諸国(特にイタリア)からの移民の流入により、再び人口増加が見られました。加えて、西欧諸国と同様、すでにカナダに住んでいる家族の出生率が上昇したことも、カナダ人口の増加の一因です。この世代は「ベビーブーマー」と呼ばれています。
欧米諸国では、希望、楽観主義、期待感が最高潮に達したこの時期、ケベック州では大学構内で動揺が見られ始め、「静かな革命」の発端となりました。この時期はまた、教皇ヨハネ二十三世により第二バチカン公会議が招集されたときでもありました。